木造建築は、昔から日本人が得意としてきた建築です。日本にある森林資源を上手に使いながら、日本の伝統的な工法を続けてきました。それは、日本の誇るべき工法でもあります。

しかし、海外に目を向けてみれば、日本とは異なる木造建築の発展を見せているところもあります。

そこに、これからの木造の可能性があるかもしれません。その実例をご紹介します。

バンクーバーの木造施設建築

日本と同じように国土面積の多くを森林で占めるカナダでは、すでに木造施設建築の様々な事例があります。その一部をご紹介します。

リッチモンドオリンピックオーバル

2010年に開催されたバンクーバーオリンピックの競技場のひとつです。木造のアーチは、100mの長さの大空間を可能にしています。中は空洞になっていて、空調のダクトとしても利用されています。

パンデューセン植物園

木構造は、まっすぐなイメージがあるかもしれません。しかし、この植物園のゲストハウスの屋根は流線型で、重なり合うような構造をしています。

レッキービルディング

1908年に完成した木造6階建てのビルです。100年以上たった今でも鉄骨などで耐震補強しながら利用されています。木造は、使い方によっては、100年以上利用することができます。

コンドミニアム(木造6階建て)

建設中の木造6階建てのコンドミニアムの現場です。カナダのBC州では、2009年に建築基準法の法改正があり、それまで木造は4階までであったのが、6階まで建てられるようになりました。6階建てになると、クリアしなければならない構造強度の問題や消防の問題があり、日本ではなかなか進んでいないのが現状です。

ブロックコモンズ(木造18階建て)

バンクーバーにある大学ブリティッシュコロンビア大学の校内に建てられた学生寮「ブロックコモンズ」は、木造18階建てです。大学構内ということで、木造のレギュレーションを超えて18階建てにしています。集成材の大断面の柱に各階のCLTの床の荷重を柱に伝えるための接合部の工夫がされています。外壁のパネルも木製です。

以上のように、まだ日本ではできないような木造建築が海外では実現しています。日本の木造建築の可能性もこれからますます広がると思います。