ツーバイフォー工法とは

日本の木造は、軸組工法が主流となっており、当社でも軸組工法の施工事例が多いのですが、一方で木造ツーバイフォー工法(2×4工法)も多く建ててきました。日本では、枠組壁工法とも言われていて、断面が38mm×89mmのSPF材と構造用合板によって枠組みパネルをつくり、それを組み合わせることによって空間を構成します。

SPF材(エスピーエフざい)とは、スプルス(SPRUCE)パイン(PINE)ファー(FIR)の3種類の樹種の頭文字から来ていまして、比較的育ちの早い常緑針葉樹から取られた木材です。

平成22年10月1日に林野庁によって施行された公共建築物等における木材利用促進法によって、中大規模の施設にも木材が使われるようになりました。公共性をもった中大規模建築物になると木造軸組工法だけでなく、もっと自由な空間を構成するためのトラス構造、大スパンを飛ばせる大断面の集成材CLTなど木材構造は、多様化しています。

そのような中、高齢者施設等の公共建築物でツーバイフォー工法が見直されています。ツーバイフォー工法では、木造軸組工法に比べて耐震性耐火性断熱性遮音性などの建物性能を高めやすいという特徴があります。日本よりもツーバイフォー工法が進んでいるカナダのBC州では、2009年に建築基準法が改正され、既に木造6階建てまで建てられるようになっていますので、ツーバイフォー工法の技術的には、6階建てくらいは建てられるポテンシャルを持っています。

それでは、その建築性能の高さを見ていきましょう。

耐震性

木造は、耐力壁によって耐震性を高めます。これは、木造軸組工法も同じ考え方です。しかし、ツーバイフォー工法では、構造用合板をスタッド(SPF材)で挟み込んで釘で縫うミッドプライ耐力壁(Midply Shearwall)を用いることによって木造6階建てでも耐えられる壁倍率の耐力壁と耐震性を可能とします。

耐火性

木造で心配されるのは、火に弱いのではないかということです。しかし、石膏ボード(ドライウォール)で適宜構造体を覆ったり、スプリンクラーを設置することによって、木造6階建てに必要な2時間耐火も可能にしています。すべての配管と配線の貫通部を耐火パテで埋めて、火事のときに火が通って燃え広がらないようにしています。

断熱性

木造軸組工法の場合、柱のサイズは105mm角や120mm角が一般的な規格寸法なので、グラスウールなどの断熱材は、その厚みに合わせているのが一般的です。一方、ツーバイフォー工法の場合は、使うスタッドの寸法を2×4材から2×6材や2×8材など太くすることによって、断熱材を入れる壁の厚みを厚くすることもできます。

遮音性

日本では、木造の集合住宅というと賃貸住宅がほとんどですが、ツーバイフォーのコンドミニアムは、コンクリートのマンションのように分譲販売されています。その為、床や壁の遮音性を高くする必要があります。すべてのフロアの床には、遮音のための断熱材界壁には二重の断熱材によって遮音性を高めています。

以上のようにてツーバイフォー工法は、建築物の各種性能をより高くすることができます。

既に茨城県つくば市では、ツーバイフォー工法による木造6階建ての実験棟が建てられています。

ツーバイフォー工法の施工の流れ

まず、基礎工事ですが、これは軸組の場合とそれほど違いはありません。しかし、通常の住宅基礎よりも立ち上がりが高くなるなど、鋼製の型枠ではなく、コンパネ型枠でないと対応できないかもしれません。規模が大きいと、鋼製型枠の数量が確保しにくいという理由もあります。

脱型した様子も木造軸組み工法とあまり変わりません。

その基礎の立ち上がりに予め固定されたアンカーに土台を固定していきます。これも軸組工法のときと基本的には同じです。それと同時に、床を張る前に給水給湯の配管などは行っておきます。

次に床下の断熱材を入れていきます。この現場もそうでしたが、工事中に雨が降る場合があります。基礎断熱にするとこの湿気を室内に閉じ込めてしまう恐れがありますが、床下断熱なら床下が換気できるので、私はある程度の規模がある場合には、床下断熱のほうが安心ではないかと思います。

断熱材を張り終えたところから、床の構造用合板を敷いていきます。ネダレスの場合は、24mm厚が一般的です。

床の構造用合板を敷き終わったら、壁を組み立てていきます。この時、現場の敷地の広さに余裕があれば、事前に工場で大型パネルにしておいて、それをラフタークレーンで吊って、建てていくと工期が短縮できます。工期が短縮できれば、工事費も安くなる傾向があります。

これで1階の壁ができました。まるで迷路のようですね。

1階の壁ができたら、1階の天井を組み、2階の床を敷いていきます。

こうして1層ずつ組み立てていくことが、ツーバイフォー工法の手順の特徴です。

また、ここで施工のポイントがあります。軸組工法の場合には、建物の重さが柱の鉛直荷重としてかかるので、そうでもないのですが、ツーバイフォー工法の場合には、建物全体の荷重によって沈み込み現象が起きます。

6階建ての場合で60mm程度の沈み込みがおきます。なので、後から沈んで建物全体に歪みが生じないように、予め階ごとに床全体になるべく均等に荷重をかけておきます。この荷重は、この建物に使用する石膏ボードの束を間配りすることによって、予め建物全体にかける鉛直荷重とします。こうすることで、後から生じる沈み込みを軽減できます。

最上階の小屋組みをして、

屋根のルーフィングを張って、屋根仕上材を葺いていくのは、軸組工法と同じです。しかし、この屋根のルーフィングまでの期間に時間がかかるのは、ツーバイフォー工法のデメリットであり、注意するポイントです。

ご覧いただいたようにツーバイフォー工法と軸組工法では、工事の手順が違ってきます。

また、3階建てくらいまでの低層の建物であれば、鉄筋コンクリート造や鉄骨造に代わる木造建築としてコストメリットのあるツーバイフォー工法は有効だと思います。

ご興味あれば、お気軽にご相談ください。